自作のフリー環境

初めてMSP430を使うひとはまずフリーの環境を自作してどんなものかをテストしてみるのをお勧めします。フリーといっても部品代が数百円かかりますが。買っても\2500くらいかな。
MSP430の開発環境の整備
(WindowsXPで動作するMSP430の開発環境をまとめました)
AQ430の取り説

  1. インストール
    1. "aq4302Karm"を実行する。
    2. 基本的に修正の必要は無いのでデフォルトキーをOKにして"Finish"で再起動して完了。
    3. MSP-FET430UIF(USBのツール)を使用する場合はIARのKICK-STARTに付属している"USBドライバ"をインストールすること。
  2. 新規プロジェクト作成
    1. "Project"-"New"で"OpenNewProject"を開く。
      • "ProjectName","ChipType","ProjectDirectory"を入力する。
      • カレントフォルダに"cstart.asm"が無いならばチェックを入れる。
        (通常は無いのでチェックを入れる)
      • "test"プロジェクトが作成され、プロジェクトウィンドゥが表示される。
    2. オプション設定
      • "Option"-"Project"で"ProjectOptions"を表示する。
      • "TargetOptions"タブの"Always sage in TI-TXT format"をチェックする。
      • "Miscellaneous"タブで"LinkerCommandFile"(*.aqlファイル)と"IncludeDirectory"(C:\Program Files\AQ430\include;..\common;..\test)を設定する。
        (";"で区切る,";"の前後にスペースを入れない,フォルダ名は全角を使用しない)
      • "Assembler"/"C-compiler"/"Linker"にオプションを記入する。
        コンパイル時にデバッグ用#defineを設定したいときは"-D"で設定(-DDEBUG等)。
      • "OK"で終了するとプロジェクトウィンドゥに"test_fud.aql"が登録される。
      • "Option"-"FET tool on LPT..."で使用するFETの接続先を指定する。(USBツールの場合はTIUSBを選択する)
    3. ソースファイルを追加
      • プロジェクトウィンドゥ上で"右クリック"-"AddFile"でソースファイルとリンクするライブラリファイルを追加する。
      • ここで"Project"-"Save"でプロジェクトを保存する。
        (AQ30はよくハングするので)
  3. コンパイルからデバッグ
    1. コンパイル(フルビルドなら"Ctrl+L")実行する。
    2. 正常終了なら"Ctrl+M"でLoadする。
    3. "Run"で実行。その他は他のデバッガ等と同じ。
      別図参照
注意:"AQ430"がハングして異常終了したら”タスクマネージャ”で"qvach430***.exe"をマニュアルで終了させること。その後AQ430を再起動すること。

mspgccの環境構築


環境:WindowsXP(SP2)、パラレルポートFET使用、デバイスはmsp430F1611を使用
参考:LINUXjournal.com
注意:私の環境ではmspgccのgdbによるデバッグ時の"run"ができなくて最終的な動作確認はできていません。あくまでも参考資料です。
  1. インストール
    • sourceforge.netからmspgccをダウンロードしてインストールする。(私は今回は20060502を使用しました。)
      デフォルトで"c:\mspgcc"にインストールされPATHも設定されます。
      実際の作業はコマンドプロンプトを開いてコマンド入力によるコンパイル/書き込み/実行を行います。
      注:Windows環境では別途cygwinがインストールされているとそのcygwinとmspgccで使用するcygwin1.dllのバージョンが違うので(pathではWindowsにインストールされたcygwinを使用するため) エラーが発生する。
      対策: mspgccを使用するコマンドプロンプトを開いた後にPATHを変更する。(変更するbatを実行する)
      • file:autoexec.batを実行する
        "autoexec.bat"
        PATH=C:\WINDOWS\system32;C:\WINDOWS;C:\WINDOWS\System32\Wbem;c:\mspgcc\bin
        実行後makeを実行する(/mspgcc/bin/配下のcygwin1.dllを使用することになる)
  2. コンパイル
    • $> msp430-gcc sample.c -o sample.elf -g -Wall -I../include/ -I../common/ -mmcu=msp430x1611
    • その他オプションはgccと同じ
  3. 書き込み
    • $> msp430-jtag -e sample.elf
  4. デバッグ
    • コマンドプロンプトを起動してgdb-proxyを起動する。(上記のPATH修正しておくこと)
    • $> msp430-gdbproxy --debug --port=3333 msp430
    • コマンドプロンプトを起動して(別ウィンドウ)gdbを起動する。(上記のPATH修正しておくこと)
    • $> msp430-gdb sample.elf
    • gdb起動後
    • (gdb) set remoteaddresssize 64
    • (gdb) set remotetimeout 999999
    • (gdb) target remote localhost:3333
    • を実行する。
    • この後"run"で実行できるはずなんですが上手くいきません。gdb_proxyとの接続はされているようなのですが...。
    • 上記で作成したelfファイルをHEXに変換したものを書き込んでも動作しなかったのでバイナリの作成に問題ありかもしれません。(同じソースをAQ430でコンパイルしたら動作しています)
  5. ファイルの変換
    • ellf->INTEL-HEXに変換する。
    • $> msp430-objcopy -O ihex sample.elf sample.hex
注意純正(TI)のパラレルFETでは書き込み後そのままウィンドゥを閉じて終了させるとJTAG信号のRESET"L"に落ちたまま?になるのでターゲット基板のプログラムが動作しない。JTAGコネクタをはずすと動作する。
FET430Proを終了する前に[POWER ON/OFF]ボタンをクリックして黄色点灯にさせてからウィンドゥを閉じるとRESETがネゲートされた状態が残るのでそのままターゲットのリセットボタンを押すとターゲットプログラムが起動する。
  1. [OpenCodeFile]ボタンをクリックして書き込みファイルを選択する。
  2. [Microcotroller Type]でマイコン種別を選択する。"1611"を選択する。
  3. [AUTO PROG]ボタンをくりっくして書き込みを開始する。
  4. オール緑で終了したら正常完了です。
  1. [Setup]-[Connection]を開いて"JTAG"/"LPT-1"をチェックする。
ElprotronicLite FET-Pro430の取り説

一応フリーで使用できるMSP430の書き込みツールです。
  1. Elprotronic社から"Flash Programmers for the MSP430 microcontrollers from Texas Instruments. "をダウンロードしてインストールする。
  2. 起動する。